死のその次へ:魂を導くヒント

エッセイ

未成仏の危険性

この世は「宇宙の摂理」と呼ばれる高次元の物理法則に従っています。

しかし、その摂理と私たちの三次元的な思考とのあいだにはギャップがあります。

このギャップによって、私たちは人生でネガティブな出来事を経験し、死後には「未成仏」に陥る可能性があります。

未成仏は私たちの存在にとって、「致命的」ともいえる出来事です。

なぜなら、スピリチュアルな観点では、魂は成長のために転生を繰り返すとされますが、もし成仏できなければ転生が難しくなるからです。

今回は、「未成仏」の詳細と、それを避ける方法について、具体例や伝承を交えて考察します。

「ギャップが未成仏を生む仕組み」の詳細は巻末の関連記事をご覧ください。

執着が妨げるもの

未成仏を招く大きな原因は、死後の魂に強い「執着」の念が残されていることです

それは三次元のエネルギーなので、高次元へのゲート通過を妨げます。

魂が執着に囚われている場合と囚われていない場合の比較の図。

執着には、二つの形があります。

自分の執着

奥野修司氏の著書『死者の告白』には、津波で亡くなった大学生の事例が記されています。

彼は帰省中に津波に遭い、濁流の中で必死に建物にしがみつきました。

ところが水中にいた男性に引きずり込まれ、そのまま溺死してしまいました。

魂となった彼は、名前を含むほとんどの記憶を失いながらも、霊能を持つ僧侶に対して「これから世の中の役に立つ人間になるから」「死にたくない」と繰り返し訴え続けたといいます。

これは、怒りや無念といった強い生への執着が成仏を妨げていた例といえるでしょう。

他者からの執着

ある霊能者の体験では、相談者女性に立て続けに起こる不運を霊視したところ、その原因が亡くなった母親にあると気づいたそうです。

相談者は生前の母親に深く依存しており、葬儀の際に無意識のうちに「霊になっても、ずっと一緒にいてほしい」と強く願ってしまいました。

母親の魂はその願いに囚われて成仏を選ぶことができず、娘のそばに留まり続けました。

この例は、たとえ深い愛情からの想いであっても、過度な願いや引き留めの力が、故人の成仏を妨げることを示しています。

地縛霊の苦しみ

二つの形の執着は、いずれも魂の安らかな旅立ちを妨げます。

ゲートを通過できない魂は、三次元でも高次元でもない中間領域に留まるしかありません。

肉体という「明確な定義」がなければ、自己のアイデンティティは徐々に失われ、執着のエネルギーは時間とともに増幅します。

それはやがて「地縛霊」と化し、周囲に悪影響を及ぼすことさえあるといわれます。

未成仏霊や地縛霊を知覚できる人間は少なく、それに適切に対処できる人間となるとさらに少なくなります。

だからこそ、未成仏は可能な限り避けられるべきなのです。

暗い穴の中で嘆く女性のシルエットの画像。

魂の速やかな成仏のために

では、魂の速やかな成仏を叶えるために、私たちができることはなんでしょうか。

以下はあくまでも私の観点に基づく例ですが、5つ挙げてみます。

  1. 生前に執着を残さない
    後悔や思い残すことなく生きること。
  2. 死者の成仏を願う
    故人を引き留めず、安らかに送り出すこと。
  3. 自殺を避ける
    強い苦しみや未練などに縛られ、成仏が難しくなるとされるため。
  4. 本来の寿命を全うする
    自然なかたちで「ゲート」を通過することが望ましいため。
  5. 遺体を火葬する
    これは肉体への執着を減らし、移行を助けるとされることがある。

ただし、死後の世界観や弔いの方法にはさまざまな信念があり、それぞれに従うのが最善です。

特に埋葬方法は宗教や慣習によって大きな違いがみられます。

おわりに:見えない世界と今

ここで示した内容は、私自身や身近なコミュニティの宗教観に基づく見解にすぎません。

ただ、「未成仏」という概念は、自分自身や大切な人たちの魂のあり方に目を向けるきっかけになるのではないか、と私は考えています。

参考文献

執筆の参考にした書籍を付記します。興味のある方はどうぞ。

■ 「霊魂」を探して 鵜飼 秀徳 (著)


■ 死者の告白 30人に憑依された女性の記録 奥野 修司 (著)

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■ 強制除霊師・斎 小林 薫 (著)


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