占いを利用する(1)
恋人に感じる満足と違和感
これまでサクラちゃんの話のところどころに、潜在的な”迷い”を感じることがありました。
とはいえ、恋する乙女はみんなそんなもんだし、彼女の性格ならこのまま結婚するだろう、と思っていました。
彼女は、彼と一緒にいると楽しいし、楽な気分になれる。
それは、とても大切なことでしょう。
彼には長年没頭している趣味があり、お金がかかるので結婚後は共稼ぎを希望していますが、仕事好きなサクラちゃんにとっては願ったりです。
「結婚しなきゃ」と思う年頃だし、家庭を作れば生家から独立できます。
彼が、性的に自分だけ満足したり、片付け(特に衛生面)が極端に苦手だったり、物事を勝手に進めがちなどは、彼が初彼で、最初から遠距離恋愛だった彼女には「そういうものかな」としか評価できない情報です。
BBAの目線
アラフォー女性の目線から言うと、彼女が彼と結婚してもそれなりにやっていきそうな気はします。
彼を本当に好きだろうし、彼女は多少のことを割り切る性格だし、(深く物事を感じるタイプにしては)割り切ってもあまり歪まないし、彼女のプライオリティから考えると社会的信頼性の点で”まっとう”な男性を選んでいるでしょう。
サクラちゃんの人生はサクラちゃんのものです。
私を含め、誰の人生もそうですが
見えない場所に何が潜んでいようと、その時々で自分に選べるものを選び、どうにかこうにかやってゆき、もしもダメならダメなまで。
”愚かさ”が発生しうる余地があることと、愚かさの結果もたらされる”感覚”こそが、肉体を着ている意味に他ならないと思います。
占いを”フィルター”として利用する目論見
私の暮らしはスピリチュアルと無縁なので、この感覚で何を見聞きしたところでできることはありません。
人様をとやかく思う暇があるなら、まず自分をどうにかしろよって話です。
それに、結果がどうあれ引き受けるのはサクラちゃんなのだから、彼女の好きにするべきです。
だけど、”重要かもしれない情報”を知らないのはフェアじゃない気がする……
私は、自分を共有しなくていい、と思った相手に深く心を寄せることはないけれど、今回は珍しく気が咎めました。
まーなんか良く分からないけど、とりあえず自分の気持ちには忠実であるべきです。
ある日、サクラちゃんからラインが入った時ちょうど占星術師の友人とリモート飲み会していたので、友人の了承を得てサクラちゃんを誘いました。
私の立場では無理でも、”占い”というフィルターをかませれば、見えない場所の情報を違和感なく伝えられるかもしれない、と思ったからです。
それに、たいていの女子は占い好きですしね。
続きます

