はじめに
祇園祭は869年から約1200年の歴史があり、ユネスコの無形文化遺産にも登録されている魅力あふれる祭りです。毎年国内外から多くの人が訪れますが、話題になるのは前祭の宵山と山鉾巡行、または混雑のことばかり……(かもしれません)。
そこで今回は、学生時代に”京都沼”にはまり、京都と本拠地の二拠点生活をしている私が、人に話して「知らなかった!」と驚かれたことがある祇園祭のトピックを7つ選びました。観光の参考などにしていただければ幸いです。
① ご利益
山鉾に必ず乗っている人形や彫刻。実はご神体、つまり神様です。


神様なのでご利益もありますが、祇園祭は疫病退散祈願なので、ほとんどは疫病除けか厄災除けです。
でも中には保昌山の恋愛成就、鯉山の立身出世、黒主山の盗難除けのような”変わり種”もあるのです。
お会所ではご神体に参拝したり、御朱印や授与品をいただくことができますが、

私のおすすめはおみくじです。
前祭では蟷螂山と郭巨山、放下鉾、後祭では鷹山で引けます。この↓二つが可愛いです。
② 山鉾搭乗
山鉾の中には、拝観券か拝観券付きの授与品を買うと、搭乗できる(上がれる)ものがあります1。
はしごか、建物の二階から橋を渡るかの二択。


そこでしか見られない「縁起物」(と言われているもの)もありますよ。
③ 宵山期間中の特別イベント
宵山期間中には、綾傘鉾の棒振り囃子や南観音山のあばれ観音のような会場で行われるイベントと、日和神楽2のような町内を練り歩くイベントが行われます。
多くは不定期や遅い時間に行われるので、ご確認ください。


④ 幻の絨毯
山鉾の懸装品は芸術的価値や文化的価値が極めて高いので、山鉾は「動く美術館」と称されます。
今回おすすめするのは月鉾のメダリオン緞通と、北観音山と函谷鉾の八芒星絨毯。なぜなら、どちらも世界レベルの幻の名品だからです。


メダリオン緞通は、今のところ世界でこの一枚だけ。八芒星絨毯は、世界で四枚だけ(後述)と言われています。どちらもムガル王朝時代の最高傑作。
実は、上記はすべて日本にあります。
その理由は、海外では実用品として使われていたので現存しないけど、日本では舶来品として珍重されたので形を保ったものが残っているからです。
以前は、八芒星絨毯は山鉾が所蔵している二枚と徳川美術館が所蔵している一枚の、合わせて三枚と言われていました。でも2019年、京都の骨董市で吉田孝次郎氏が四枚目を発見。なんと、ポケットマネー程度だったとか。
お宝には夢とロマンがありますねー。
脚注