決められない女(1)

怪しいお話
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ある日、とある場所の廊下で、知り合い(30代女子)から、「ちょっと相談があるんですけど……」と、呼び止められました。

立ち話で軽く聞くところによると、どうも、今住んでいる物件の騒音が気になるので引っ越し予定だけど、すでに次の物件も決まって、あとは契約だけの状態なのに、

迷ってるんですよね

と言うことらしい。

付き合いが浅く、不動産を扱ったこともない私になぜ相談?とは思ったけど、まあ「誰でもいいから、喋って気晴らししたいのかな」と思い、詳しい話を聞くために、近所の喫茶店に移動することにしました。

本人曰くの経緯と現状は、

  • 現住所のオーナーは老齢で、「広い家に一人暮らしは寂しい」(オーナーも建物内に居住)ので、部屋を貸している(儲けはあまり考えていない)。入居者は女性限定。家具や電化製品はほぼ完備。家賃格安。
  • 賃貸の一部はテナント物件で、そのうち数件は夜遅くまで営業している。建物の構造的に、また、築年数も古いため音が響く。
  • 前月初旬に入居(話を聞いた時点で、一か月経っていない)。入居数日で耐え切れなくなり、家電量販店で遮音イヤホン?を買い、自室で就寝前から朝までずっとつけている。でも、やっぱりうるさくて眠れない。
  • 仕事中の睡魔がひどく、各方面に支障をきたし始めた。追い詰められており、ゆっくり眠りたい。

なのだそう。

しかし、引っ越し予定の物件は、防音とセキュリティに特化した”こだわり設計”だというので、いったい何に悩んでいるのか尋ねたところ、

  • 強引で急かすような、不動産屋の態度
  • 新居予定物件の条件は、今と比べると格段に落ちる
  • 先立つものが不安

が、気に入らないのだそうで。

特にネックは、不動産屋のようでした。

あまりに何度も「信頼できない」と繰り返すので、「じゃあそこは断って、別の不動産屋で探したら?」というと、

「でも、すごくたくさんの物件を紹介してくれて、全部見て回らせてくれたんですよね……」

「他の不動産屋で紹介してもらう部屋も、多分似たようなものだろうし……」

「もう、これより良い物件出てこないかもしれないし……」

「いろいろ条件つけるのも、わがままかもしれないし……」

と渋るので、何軒くらい不動産屋を回ったの?と聞くと、あっさり「一軒です」というので、思わずむせそうになりました。

いやいや、不動産屋は、物件を紹介するのがお仕事だからね?

しかも引っ越しって、もろもろ込みで考えると、相当お高い買い物だよね??

あなた今の家に住んで一か月未満だよね?

しかも、更に聞けば、

  • 今の住居には転職のために越してきた。まだ試用期間中なので、貯金を崩して暮らしている
  • 奨学金の返済がある
  • 事情があって実家は頼れない

など、ハードなエピソードがてんこもりではないですか。

「やっぱり、たくさん見て回らないとだめですよね……」

「でも、話が進んでるし……」

「いまさら断るのも気が引けるし……」

私は、真顔でコーヒーをすすりつつ、

ああ……これはいつもの地雷かもしれない……

と心の中で思いました。

以前エゴグラムの記事で書いた、「偽フレンドリーユーザーインターフェース」女(→見た目はすこぶるフレンドリーだが、世話好きでは全くない)である私が陥りがちなパターンが、またしてもここに……!

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