京都市山科区にある岩屋神社のご神体は、奥之院の巨石(磐座)です。
磐座参拝は、登山装備が必要だったり、最寄りの公共交通機関から徒歩圏内でなかったりの場所もありますが、ここは普段着と地下鉄で参拝できるんですよー♪
……と思っていたら、僻地でなくても、磐座は磐座でした。
油断☆大敵(・ω<)テヘペロ
詳細は、「奥之院」をご覧ください。
岩屋神社について
発祥は古墳時代
社伝によれば、仁徳天皇31年(343年)に、陽岩と陰岩と呼ばれる2つの巨石を磐座として祀ったのが起源です。古!
その後、宇多天皇の寛平年間(9世紀末)に、陽岩に天忍穂耳命、陰岩に栲幡千々姫命、岩の前の小社に饒速日命が祀られました。
境内から奈良時代以前の土器が出土したり、神社の住所である「大宅」が、藤原鎌足に関係する地名だったりもします。
岩屋三社
中世、山科には岩屋三社と呼ばれた神社がありました。
東岩屋が岩屋神社(赤色スポット)、西岩屋が山科神社(黄色スポット)。
上岩屋の場所は不明ですが、「上」=「山」と考えて、山科神社ー岩屋神社ラインの延長線上にある、音羽山山頂や牛尾観音付近(青色スポット)ではないか、と言われています。
境内
【本殿と舞殿】


【境内社】(写真は省略します)
大神宮、蛭子社、稲荷社、八幡宮、天満宮、山王社、住吉社が鎮座しています。
なお、大神宮の祭神は、天照大神と豊受大神なので、岩屋神社には、母(天照大神)と息子(天忍穂耳命)と孫(饒速日命)が一堂に会しておられます。
御祭神とご利益
【御祭神】
天忍穂耳命(アメノオシホミミノミコト)、栲幡千々姫命(タクハタチヂヒメノミコト)、饒速日命(ニギハヤヒノミコト)。
天忍穂耳命と栲幡千々姫命は夫婦ですが、一般的には、その息子は瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)です。
なぜ、息子として饒速日命が祀られているかというと、岩屋神社と縁の深い大宅氏が物部氏系で、物部氏の祖神が饒速日命だからです。
【ご利益】
天忍穂耳命……勝運、家内安全、厄除
天忍穂耳命の正式名は、正勝吾勝勝速日天忍穂耳命なので勝ち運最強✨です

栲幡千々姫命……機織り染め物関係の守護、子授け、安産
饒速日命……病気平癒(怪我腫物)、交通安全
です。
奥之院
さて、ここからが、「鎮守の森」(諸星大二郎)や「TRICK」(堤幸彦)も顔負けの、異界系ホラー体験のはじまりです。
まず、八幡宮の横から境内を出ます。

神社敷地を出て、道路か砂利道(先で合流している)を、右手に上ります。

途中の寺院で、尼僧さんに道を聞いたら、「んー、今日は道大丈夫かなー」「まあダメだったら、引き返せばいいよ」と言われ、初めて、「えっ、そんな場所なの?」と、気づきました。
そうこうしているうちに、奥之院参道への入口です。

うわあああ……▂▅▇█▓▒░(’ω’)░▒▓█▇▅▂

私が参拝した日の天候は曇り、前日は豪雨だったため、足元は、ごつごつした石の上にぬかるむ落ち葉の山道。
踵なしスニーカーを履いてきた気軽さを、ここで早くも後悔です。


人に会っても怖い。会わなくても怖い。
ただ、ただ、正面を見据え、高速で歩を進めます。

先に、陰岩とご対面。

なんと、ド迫力ぅ……と思ったけれど、この後、陽岩の前で、名前が「陰」と「陽」である意味を理解するのでした。
さらに、陰岩の左手の道を上ります。

上れども、上れども、果てしなく続くホラーワールド。
なお、陽岩直前は、かな~り足場がよくないので、ご注意を。
そして、ついに陽岩です。

陰岩より迫力、と書いておきながら、木の枝で岩が見えづらい写真ですが、陽岩の前は足場が狭く、これ以上後ろに下がると山の斜面を滑落しそうだったので、これが精一杯でした。
帰りは、万全を期して、逆四つん這いで降りました。
なお、男性は陰岩から、女性は陽岩から参拝すると結縁成就するそうですよ。
パワーの点では間違いなさそうなので、お相手募集中の方は、是非お試しください。
ただ、参拝はなるべく晴天続きの時がおすすめです
公共交通機関を利用する際の注意点
最寄りの鉄道駅は、京都市営地下鉄椥辻駅。
そこから東に約700m上ると、一之鳥居があります。

そこから、東にさらに約450m上ると、二之鳥居です。

実は、ここずーっと(かなりの)登り勾配なんですよね。
椥辻駅から本殿まで約25分歩いた後、さらに奥之院参拝はきついので、奥之院を参拝する場合は、京都バス大宅バス停(上の地図の一之鳥居すぐ傍)の利用がおすすめです。

歩き慣れていない方は、是非、お車を利用されて下さい(神社に駐車場あります)。
住所、アクセス
住所 | 〒 607-8176 京都市山科区大宅中小路町67(駐車場あり) |
TEL/FAX | 075-571-0833 |
アクセス | 地下鉄東西線/椥辻駅から徒歩25分、京阪バス/大宅下車10分 |
公式サイト | https://www.iwayanomori.org/shrine/ |