足つけ神事とは?京都の夏の涼体験
盆地特有の湿度の高さと、近年の肌を刺すような強い日差し。
京都の夏の暑さは格別です。
そんなとき、「涼しい体験」ができたなら――
そんな願いを叶えてくれるのが、京都の夏の風物詩「足つけ神事」です。
冷たい水に素足で入り、心身を清めるこの神事は、いわば極上の「涼」のひととき。
今回は、おすすめの神社を3社ご紹介します。
3ヶ所目は、知る人ぞ知る穴場です。
下鴨神社:御手洗池に足を浸して祓う
京都市左京区の 下鴨神社(正式名:賀茂御祖神社)では、「御手洗祭(みたらしまつり)」が例年7月の土用の丑の日前後から開催されます。1
2025年は7月18日〜27日、9:00〜20:00(灯明料:大人500円/中学生以下 無料)。
参拝者は境内の「御手洗池」に素足で入り、ロウソクを献灯。
池の透明な水に足を浸した瞬間、”涼しさ”が五感に染み渡ります。




厄を祓った後は御神水(ごしんすい)をいただきます。身体の中からきれいに。


また、「足形祈祷木(あしがたきとうぎ)」「腰形祈祷木(こしがたとうぎ)」「人形(ひとがた)」など、健康や厄除け祈願のアイテムも多数。

夜には灯りが水面に映り、幻想的な空気に包まれます。


期間中は、玻璃守(はりまもり)やみたらしお祓い守り、御手洗除病のお札、賀茂の御神石など限定の授与品を受けることができます。
賀茂御祖神社(下鴨神社):京都府京都市左京区下鴨泉川町59
北野天満宮:ロウソクの色に心願を託す
北区の 北野天満宮 では、「御手洗川足つけ燈明神事(みたらしがわあしつけとうみょうしんじ)」が例年8月上旬~中旬に開催されます。2
2025年は8月2日〜17日、9:00〜20:00(初穂料:500円(ロウソク代含む))。
陰陽五行説に基づいた五色のロウソクから、願い事――芸道上達、良縁成就、金運向上など――に合わせた色を選び、川に入って献灯します。






期間中は、境内がライトアップされる「北野萬燈会」や、御本殿の「石の間通り抜け神事」が併せて行われ、通常非公開の国宝や重要文化財などが見学できます。
北野天満宮:京都府京都市上京区馬喰町
蚕ノ社:三柱鳥居の前で静かな厄除け祈願
右京区の 蚕ノ社(木嶋坐天照御魂神社)では、「御手洗祭(みたらしまつり)」が例年夏の土用の丑の日に開催されます。3
2025年は7月19日、5:00~23:00。
境内の雰囲気は神秘的で、元糺の池(もとただすのいけ)に素足を浸すと、眼の前には京都三珍鳥居の一つ「三柱鳥居(みはしらとりい)」がひっそりと立っています。
特に、足の病気や疫病除けにご利益があるそうです。



木嶋坐天照御魂神社 (蚕ノ社):京都府京都市右京区太秦森ケ東町50−1
参拝前に知っておきたい服装・持ち物&注意点
- 服装: 裾をまくりやすいズボンやスカート、脱ぎ履きしやすいサンダルや靴。
下鴨神社と蚕ノ社は少し水深があるので、背が低い方は注意。 - 持ち物: 足を拭くタオル、両手が空けられるリュックや袋。
- 注意:水に入るため滑りやすい足元に注意。スマホの水没にも気をつけましょう。
- ポイント:いずれの神事も「冷たい水に足を浸す」という体験が最大の魅力。暑い夏だからこそ、思い切り涼を楽しんでください。
おわりに
どの神社にも、それぞれ異なる“涼と祈り”があります。
灼熱の京都で一息つくなら、ぜひ「足つけ神事」を旅のプランに加えてみてください。
きっと、特別な夏の思い出になるはずです。
脚注



