【京都・満足稲荷神社】天下人を「満足させた」伝説と日本最古?の狛狐

神社

はじめに

ガイドブックが素通りする京都の路地裏には、偉人たちの意外な足跡がそこかしこに残されています。

満足稲荷神社(まんぞくいなりじんじゃ)」もその一つ。1

京都・東山にある満足稲荷神社の鳥居

今回は、天下人・豊臣秀吉を満足させた稲荷神日本最古(かもしれない)狛狐のほか、可愛らしい授与品などもご紹介します。

豊臣秀吉と満足稲荷の由来

時は文禄元年(1592年)。

朝鮮に出兵した豊臣秀吉は、緒戦わずか1ヶ月足らずで漢城(現在のソウル)を陥落。

この勝利ただし、漢城陥落後もゲリラ戦の激化などから文禄の役は1年以上(1592年〜1593年)も継続。
その後、慶長の役(1597年〜1598年)へと突入。
この出兵が豊臣家没落の主因になったとも言われます。
への満足が神社に冠されたと伝わります。

京都・東山にある満足稲荷神社の説明看板

徳川綱吉の治世(1693年)に現在地へと遷座秀吉が晩年に築いた城・伏見城内に創建。豊臣家滅亡後、城とともに徳川家に接収されました。、近隣一帯に著しい繁栄をもたらしたそうです。

境内のみどころ

金運の御神木・クロガネモチ

御神木は、移転当時からこの地に立つクロガネモチです。

京都・東山にある満足稲荷神社の御神木(クロガネモチ)

八本に分かれた末広がりの幹と、クロガネモチが持つ金運の象意。

この上ない縁起物といえるでしょう。

癒しの岩神さん

御神木の背後にある「岩神さん」

真夏でも冷たく、なめらかな質感を湛えた磐座です。

京都・東山にある満足稲荷神社の岩神さん(磐座、正面)

京都・東山にある満足稲荷神社の岩神さん(磐座、上部)

岩に触れた手で自分の頭をなでると賢くなり、痛むところをなでると治ると言われています。

6対の狛狐たち

日本最古級・伏見城の狛狐

当社最大の見どころ――それは、愛らしい狛狐たちです。

京都・東山にある満足稲荷神社の狛狐(2対、4匹)

狭い境内に新旧あわせて6対という「きつね密度」。

そのうちの1対には、なんと日本最古級の可能性があります。

一般に、最古の石造狛狐は東京・吹上稲荷神社のもの(1762年)とされています。

しかし、こちらの二体には伏見城から移設したとの伝承が。

京都・満足稲荷神社にある日本最古級の狛狐(コン吉とツネ松)
コン吉(左)とツネ松(右)。どちらも神社公式の愛称。

それが事実なら、通説を170年近くも遡ることになるのです。2

この独特な耳や鼻先の形状は、かつての標準仕様だったのかもしれません。

京都・東山にある満足稲荷神社の「狐の通り道」
狐が神の使いとして出入りすると伝わる「狐の通り道」

季節の狐のおしゃれ

ここの狐たちは実におしゃれです。

お揃いの前掛けをかけてもらっており、一年の節目には新調されています。

特に「夏越の祓」毎年6月30日前後。の頃は、耳や尻尾にミニサイズの茅の輪まで!

京都・東山にある満足稲荷神社の狛狐(耳や尻尾に茅の輪)

こころなしか嬉しそうな姿に、思わず笑顔を誘われます。

祇園祭の時期はほぼ目にできるので、お見逃しなく。

御朱印と授与品

毎月17日限定・白狐御朱印

通常は「朱色の狐」が押される御朱印ですが、毎月17日だけは「白狐」へと姿を変えます。

京都・東山にある満足稲荷神社の御朱印(赤い狐、白狐)
通常(左)と17日限定・白狐(右)

日取りは「イナリ」の語呂合わせだそうですが、当日訪れたらぜひチェックしてみてください。

白ぎつねおみくじ

授与品の中で私がおすすめしたいのが、この「白ぎつねおみくじ」です。

京都・東山にある満足稲荷神社の白ぎつねおみくじ(巻物、宝珠)

宝珠(右)の顔立ちはキリッと、巻物(左)は和み系。

陶器製なので引いたあとも飾って楽しめます。

ぜひ、お家に連れて帰ってあげてください。

厄祓いのペット形

もしペットを飼っておられるなら、こちらの「ペット形」もおすすめです。

京都・東山にある満足稲荷神社のペット形
綱吉が動物を愛護したことに由来する授与品

人間に用いる「人形(ひとがた)」と同じく、名前や年齢を書き、息を吹きかけ、身体をなでてから水に流す方法で厄祓いができます。

公式サイトの通販でも入手できます。

不思議で「満足」な出会い

実は私が初めてここを訪れたとき、不思議な出来事がありました。

最寄り駅の構内で地図を何度も確認していたところ、偶然声をかけてくださった紳士。

その方は、なんと満足稲荷の総代さんでした。

道すがら、神社の魅力や知られざる京都の小ネタまで教えてくださり、参拝前から心は「満足」でいっぱいに。

ご祭神の粋な計らいを感じずにはいられない、忘れられない体験となりました。

年間行事と季節の楽しみ

秀吉の時代から数多くの参拝者を「満足」させてきたこの神社。

現在も、神楽殿からの豆まきや、神幸祭での狐巫女(参加は抽選)、夏越の祓の和楽器演奏など、四季を通じて楽しめる行事が催されています。

地下鉄東山駅から徒歩3分と、観光の合間に足を運びやすい好立地。

この小さな境内が、あなたの京都旅にきっと思わぬ「満足」を添えてくれることでしょう。

住所、アクセス等

神社名満足稲荷神社(まんぞくいなりじんじゃ)
住所〒606-8345 京都府京都市左京区東門前町527−1
TEL/FAXTEL 075-771-3035
アクセス地下鉄東西線「東山」駅下車 徒歩3分
京阪電車「三条京阪」駅下車 徒歩 7分
京都市営バス「東山仁王門」下車 徒歩1分
京都市営バス「東山三条」下車 徒歩2分
拝観料なし
公式サイトhttps://www.manzokuinari.com/

脚注

  1. 満足稲荷という名の神社は、東京の千駄木にも鎮座している。そちらは明和4年(1767年)、地域住民の手によって伏見稲荷から勧請・創建された。 ↩︎
  2. 岡山県真庭市・木山神社奥宮には、室町時代の作とされる国内最古級の神狐像があるが、そちらは木造 ↩︎

にほんブログ村 その他趣味ブログ 占いへ

Translate »