はじめに
昭和時代の実業家・松下幸之助氏は、「この世に起こることは全て必然で必要、そしてベストのタイミングで起こる」という言葉を残しています。

現実をありのままに受け止め、前向きな心を保つことが大切であるというニュアンスで解釈されており、人を励ます時などによく使われています。
私もその解釈には賛成です。ただ、現代でこの言葉を使う時は注意点があると思います。
それは、現象化のスピードの加速です。
スピリチュアルの観点
エネルギーと現象化
スピリチュアルでは、存在の本質をエネルギーと表現します。また、エネルギーは現象化するとされます。
人間でいえば、その人のエネルギー1が現象化して、その人の肉体や経験する出来事など、その人の現実に存在するものになります(図1)。

悪循環
その人にとってネガティブな出来事が起きた時、出来事を不快に感じると、出来事を生み出したエネルギーが強化されます(図2)。

ネガティブな出来事を生み出したエネルギーが強化されると、前よりもネガティブ度の高い出来事が起こります(図3)。

これが繰り返されると、出来事のネガティブ度や出来事が起こる頻度が次第に高まります。いわゆる悪循環です(図4)。

実は冒頭の松下氏の言葉は、この悪循環を防ぐ方法を述べたものです。
解釈通りに行動すれば、現実を客観的に捉え、ネガティブに囚われなくなるからです。
現代にある危機
加速する現象化
昭和時代は、それで十分だったでしょう。
しかし現代は、昭和時代よりもエネルギーが現象化するスピードが速くなっています。特にコロナ禍以降は指数関数的増加時代とも表現されるように、そのスピードはますます加速しています。
それに比べて、人間のスペック(情報処理能力や精神性など)は昭和時代とさほど変わっていません。
つまり悪循環のスピードは加速的に上がるが、人間の解決能力はそれに応じて進化しない、ということであり、
解決能力を超えた問題が起こる可能性と、起こるまでの時間が加速的に短くなる可能性の両方を示唆しています。
時間切れ
松下氏の問題解決方法(悪循環を防ぐ方法)は昭和時代では妥当ですが、現代では問題が解決する前に時間切れ2が、しかも予想以上に早くやってくる可能性があります。
だから問題解決の際は、現象化のスピードの加速を視野に入れ、可能な限り速やかに、より効果的な方法で行うべきだと思います。

上記を踏まえて、後編では今我々にできる対策をスピリチュアルの観点から考察します。
脚注