牡蠣のオイル漬け
牡蠣のオイル漬けは日本酒にもワインにも焼酎にも合うおつまみです。ご飯のお供にしても良し、パスタやチャーハンの具にしても良し。一瓶あると食卓の可能性が限りなく広がります。
既製品はまあまあなお値段するので、私は牡蠣の旬の季節になると業務スーパーなどで牡蠣を爆買いして自宅でオイル漬けを作り、食べきるとまた業務スーパーに……を一冬ずっと繰り返しています。
レシピも材料もシンプル。ポイントは加熱用の牡蠣を使うことだけです。
レシピ
牡蠣を3%濃度くらいの塩水(真水NG)で綺麗に洗い、キッチンペーパーで水気を取ります。
フライパンに並べて火にかけ、水分が出て泡がぶくぶくして来たら、オイスターソース(牡蠣500gに対して大さじ1が目安)を加えて、焦がさないように注意しながら煮詰めます。
保存容器に、粗熱を取った牡蠣と、ニンニク、鷹の爪、ローリエを入れ、食用油をひたひたに注ぎます。
オイルの種類はお好みで。私はベタにエクストラバージンオリーブオイル派です。
これだけでも美味しいですが、今回は黒胡椒の粒とドライトマトを加えました。ドライトマトのコク、最強です。
DAISOで300円に値下げされていたワイン(以前は500円で売られていたけど、ワイン事業から撤退するのかな)のお供に。冷蔵庫の残り物や生ハーブなどを添えれば財布に優しいおうち晩酌のできあがり。
食べ頃は1~2日目から。賞味期限は、冷蔵庫保存で1週間~10日ほどです。私は冷蔵庫を開ける度につまみ食いしているので、数日でなくなります。
オイル漬けに向かない牡蠣
実は、オイル漬けにおすすめできない牡蠣があります。それは、パック売りで、むき身の下に水分を吸い取るシートを敷いてあるタイプのもの。
塩水で洗う時、貝のエキスが流れ出してしまい、
キッチンペーパーで水気を取ると、平たくペラペラに。見事なゾンビ色です。
加熱すると縮んで、最後は何かの幼虫のようなグロテスクな姿になってしまいました。
オイルと香辛料で味付けしても、食感は粘土です。食感は粘土です。大事なことなので二回言いました。どうぞお気を付けください。
備忘録
生食用と加熱用の違い
牡蠣の生食用と加熱用の違いは、鮮度ではなく、獲れた海域における雑菌などの量です。
牡蠣は一日300リットルの海水を吸い込み、その成分を吸収して育ちます。
加熱用牡蠣が育つ湾や沿岸1は、養分が豊富ですが、雑菌なども多く検出されます。
生食用牡蠣が育つ沖合は、水質は良いけれど、養分は少ないです。さらに滅菌洗浄を行うために牡蠣が2~3日間断食させられて、身が痩せて水っぽくなることも。ひどい……
火を通す料理には生食用を使わない方がよいそうです(加熱用を使った方が美味しいから)。
Rがつく月
一般に牡蠣が美味しい期間は「英語のスペルにRが入る月(9月から翌年4月)」と言われます。
夏は牡蠣の産卵期なので身が痩せていることと、冷蔵庫がなかった時代は終日炎天下に置かれたため鮮度が落ちていたことによるそうです。
でも、産卵期が夏なのは真牡蠣。岩牡蠣は夏(7~9月)が旬だし、また、現代では保存や冷蔵の技術が発達しています2。現代では「Rの月」は関係ないようです。
真夏にキリリと冷やした微発砲の白ワインと生牡蠣のマリネなど、想像するだけでも最高ですね。
脚注