死に際に注意したいこと

エッセイ

はじめに

以前、成仏のしくみと未成仏のデメリットについて書きました。

今回は、成仏することを目的に、死に際に注意したいことを書きたいと思います。

執着について

成仏を妨げる要因の一つは、執着1です。

執着には、自発的な執着他者からの働きかけによる執着があります。それぞれの一例を挙げてみます。

自発的な執着

ある大学生が実家に帰省中、津波に遭いました。2

建物に掴まりながら濁流を流されていたら、水中にいた男性から身体を掴まれて水に落ち、溺れて亡くなりました。

無念さや怒りなどから成仏できず、名前を含めたほとんどの記憶を失っているのに自分の死を受け入れられません。

彼は、時間の経過によって地縛霊になりつつあります。

他者からの働きかけによる執着

ある女性は不運な出来事が頻発したため霊能師に相談したところ、亡くなった母親が原因だと言われました。

女性は母に依存しており、葬儀の時「霊になっても、ずっと一緒にいて」と願ったので母は成仏を選べず、時間の経過によって地縛霊になっています。

地縛霊について

成仏できなければ地縛霊になります。

地縛霊は本来あるべき流れから外れた存在で、自ら流れに戻ることはほぼできません。

肉体が無いので自我を維持できず、執着に囚われるのみになります。それはとても苦しいことです。

成仏を促す方法

私は、成仏を促す方法を次のように考えています。

  1. 生前に執着を残さない。思い残すことなく生き、過去を許すか忘れる。
  2. 死者がすんなりと、より良い場所へ成仏できるよう願う
  3. 自殺しない。
  4. 本来の寿命を超えない。3
  5. 宗教、慣習等の決まりがなければ、遺体を火葬する。4

死生観は人それぞれなので、自分で納得できる選択をしてください。

見送る立場について

自分が死ぬ立場については『死後の無情なしくみ』に書きましたが、今回は見送る立場について、私の友人のお父さんが危篤に陥った時の話を例に書いてみます。

友人は医療従事者一家の一員です。家族はお父さんの容態を正確に理解し、墓や喪服をすみやかに手配しました。

でも彼は電話で話した時、「大学進学で家を離れてから父と会った時間を合計したら2カ月に満たなかった」と涙声で言いました。

このままお父さんが亡くなったら、彼の後悔を直接解決できる人はいなくなってしまいます。私は馴染みの神社へ神頼みに出かけることにしました。

神前で私は困りました。

彼らの最善は延命ですが、もし今がお父さんの寿命なら、延命をお願いして叶ったら成仏できなくなってしまいます。そこで悩んだ末に「八方善しにしてください」と願いました。摂理の範囲で彼らの希望を最大限に叶えてもらい、もし辛い結果を避けられないなら彼らの痛みを最小限にしてくださいと。

その後、お父さんは生きて退院されました。友人は月に必ず一度は帰省して親孝行しました。

お父さんは一昨年亡くなりましたが、亡くなる2時間前に病室で友人と二人きりになった時、「人生に満足している」と言われたそうです。お葬式の後、友人は「思い残すことはない」と言っていました。

お父さんの延命は叶いましたが、実は退院後は週2~3回自宅から1時間以上かけて通院し、8時間以上ベッドに寝た姿勢で治療を受けていました。お母さんにも持病があり、付き添いはもう限界だったそうです。

願いが叶っても叶わなくても辛いことはあるかもしれません。月並みですが、最善を願い、与えられた結果に誠実に対処することが求められているのだろうと思います。

脚注

  1. 執着=特定の事柄(人、物、出来事など)に心が縛られ、その状態から抜け出せないこと。 ↩︎
  2. 出典:死者の告白(奥野修二著) ↩︎
  3. 寿命は、高次元へのゲートを自力で通れる期間と関係があるからです。 ↩︎
  4. 肉体は執着の対象になりやすいからです。 ↩︎

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