お狐様とアヌビス
日本で稲荷神の眷属である狐は、日本から遠く離れたアフリカの神と関係があります。
私がそのことを知ったきっかけは、夢でした。
不思議な夢
ある夜、夢の中で、私は神殿の廃墟のような場所にいました。
神殿の壁は石灰岩、床はリノリウムに似た素材でできており、見上げると空一面は宇宙空間でした。
床のあちこちには犬を思わせる生き物がうずくまっていました。それらは全身が白い毛に覆われており、体長は1.5~2.5mほどでした。
彼らは私を全く気に留めていなかったので遠慮なく眺めていると、足の数が4本でなかったり、耳がなかったりする個体が交じっていることに気がつきました。体表が陶器のようにつるつるの個体を発見して、「こいつら、地球の生き物じゃないな」と思いました。
そのうち、顔に赤い隈取がある個体が目に留まり、あのデザイン、どっかで見たことあるような……
お狐様やん!!(⊙ω⊙)
その瞬間、ここにいるのは、みんな「眷属の狐」だと直感しました。
さらに、白い群れの中に一匹だけ黒い個体がいることに気づき、それに対しても既視感を覚えましたが、名前をどうしても思い出せないまま目が覚めました。
その後、夢のことはすっかり忘れていましたが、ある日突然、
アヌビスやん!!(⊙ω⊙)
という正解が、夢の記憶と共にひらめいたのでした。
二者の関係
この体験を不思議に感じたので、お狐様とアヌビスについて調べたところ、こんなことが分かりました。
狐について
日本で稲荷神とされるのは、宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)と荼枳尼(ダキニ)天です1。
宇迦之御魂神は、もともと渡来人である秦氏の氏神です。日本では、眷属は狐です2。
一方、荼枳尼天は、もともとベンガル地方の土着宗教の悪鬼・ダーキニー。野干(キンイロジャッカル)の化身です。
インドで仏教に取り込まれて神となり、中国に伝来した際、中国にジャッカルがいなかったので、狐や貂などに置き換えられました。日本では、豊穣の神としての性質と狐との関わりから宇迦之御魂神と習合しました。
アヌビスについて
アヌビス神は、エジプト神話における冥界の神です。
アフリカンゴールデンウルフ(キンイロジャッカルのうち、アフリカに生息しているもの)の頭部を持つ姿か、獣そのものの姿で描かれます。
まとめ
荼枳尼天の眷属の狐はもともとキンイロジャッカルであり、アヌビス神も見た目がキンイロジャッカル。
つまり、稲荷神の眷属の狐とアヌビス神には、共通点がみられるわけです。
もしかするとこれは不思議でも何でもなく、合理的な説明がつく話なのかもしれません。たとえば、荼枳尼天もアヌビスもキンイロジャッカルの生息範囲で生まれており、また、キンイロジャッカルはスピリチュアルと結びつきやすい何らかの特徴を持っているなどです。3
でもまあ、これはロマンの話ですからね。
地球外の宗教
ロマンの話なので、締めもロマンチックにいきたいと思います。
神を信仰するのは、神よりも次元が低い存在です。そのような存在は、我々以外にもきっといると思います。宇宙は広大ですから。
私が夢で見た異形の存在は、地球とは異なる次元や場所で信仰されているバージョンの狐かもしれません。彼らのエネルギーを地球人である私の脳の枠組みで処理すると、異形として認識されるのかもしれません。
その場所の稲荷神も狐と同様に異形で、五穀豊穣もそこの風土や文化では地球と違う解釈になるのかもしれません。なんてね。
脚注