人はなぜ傷つく方へ向かうのか(中編):魂が仕掛けた矛盾

スピリチュアル体験

決定的な矛盾

Mさんは、彼氏の急な呼び出しにいつでも応じ、子どもを預けてまで手料理を作りに行きます。

一方で、誕生日に元妻の私物を渡されたときには、笑いながらも「ムカついた」と語っていました。

これはつまり、パートナーからの粗末な扱いを受け入れているのに、自身を「尊厳のない人間だ」とまでは思っていないということです。

彼女の本心と行動はズレています。

このズレこそが、彼女の苦しみの元凶なのです。

生まれる前の計画

このズレは、「生まれる前の計画」に従って生じたものです。

スピリチュアルでは、人はそれぞれ、今世で取り組む課題と、それに応じた”初期設定”を持って生まれると考えられています。

それを基に考えると、Mさんの課題は、おそらく「自分自身の尊厳に気づくこと」です。

幼少期の彼女は「自分には尊厳がないという思い込み」を身につけました。

家族は、そのために与えられた初期設定です。

そして、人生を通して課題――「自分には尊厳がある」という事実に気づくこと――に挑戦します。

この「マッチポンプ」のような仕組みは、Mさんに限らず、私たちすべてに共通する学びの方法です。

偽りの守り神

スピリチュアルの視点では、本来、人は誰もが完全な存在です。

何をどう思い込もうと、彼女の尊厳が失われることはありません。

彼女が感じている欠乏は、本当は存在しません。

しかし人は欠乏を感じれば、どうにかして埋めようとします。

そして、本当はすでに持っているものを、自分の外側に探し始めます。

Mさんの場合、

「彼に認められることで、私は尊厳を手に入れられる」

と誤解しています。

その考えに従えば、もし彼との関係を断てば、彼女が尊厳を手に入れる機会は完全に失われてしまいます。

だからこそ、不当な扱いを受けても、必死に関係にしがみついてしまうのです。

本当に彼女が求めているのは彼の愛ではなく、彼女自身の尊厳なのです。

苦しみの正体

彼女の魂は「私は尊厳ある存在だ」という真実を知っています。

だから魂は、現実と本来あるべき姿のズレに気づき、それを心の痛みとしてMさんに伝えます。

彼女にとって、この痛みこそが、思い込みを放棄して本来の自分に戻る――課題を解決する手がかりになります。

ただ、その思い込みは、幼い彼女が過酷な状況に対処しようとして生み出した(当時の彼女にとっての)「最善の策」です。

それを手放すことは、まるで自分の足元が失われるような恐怖を伴うはずです。

だからこそ、彼女は心を麻痺させてまで、同じ痛みに耐え続けているのです。

残された突破口

彼女の「抵抗」は強力です。

このままでは、課題は達成されないように見えるかもしれません。

しかし課題解決は、人間が生まれてくる上で最も重要な目的です。

だから、たとえどんな状況に陥ろうと、必ず何らかの対策が用意されています。

彼女にも、すでに突破口が用意されています。

本人は気づいていませんが、それは彼女のとても身近な存在として現れています。

次の後編では、用意されているこの「導線」と、魂が本来持っている完全性について説明していきます。

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