祇園祭をもっと楽しもう
こんにちは!
学生時代を京都で過ごし、ここ数年は京都と他地域の二拠点生活をしている小夜です。
祇園祭は869年発祥の、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている京都の夏の風物詩ですが、個人的に、山鉾の”映え”と粽以外についてはあまり知られていない印象があるため、私がおすすめする「祇園祭をより深く楽しむ視点」を6つ挙げてみました。
京都好きさんも、そうでない方も、是非チェックしてみて下さいね~。
ご利益をいただく
山鉾は人形や彫刻などが乗っていますが、実は、あれらは「ご神体」で、それぞれに独自の「ご利益」があります。
祇園祭の性質(記事の最後に説明あり)から、ご利益は厄病除けが多いですが、中には、恋愛成就や雷除けなどの変わり種(?)もあります。
お会所で宵山期間中、ご神体に参拝できたり、御朱印や授与品(粽が有名)がいただけますが、私のおすすめは、おみくじです。
蟷螂山、郭巨山、鷹山で引けますが、どれも祇園祭限定、それぞれ趣向が凝らされていて特別感ありますよ。
山鉾に上がる
山鉾によっては、料金を支払ったり授与品を購入すると上がれるものがあり、懸装品を間近で見学できたりなどします。
ただし、長刀鉾と放下鉾は男性しか上がれないので、女性はご注意下さいね。
イベントを見る
綾傘鉾の棒振囃子、南観音山のあばれ観音、囃子方がある山鉾町による日和神楽など、宵山期間中に一部の山鉾のみで行われるイベントがあります。
詳細は、情報サイト等で事前に確認できます。
- 綾傘鉾お囃子スケジュール(2023年)
- 南観音山あばれ観音
- 日和神楽のスケジュール 前祭 後祭
幻の絨毯
山鉾は「動く美術館」と称されており、巨匠や名工たちによるご神体や懸装品が見どころの一つですが、特に「幻の絨毯」と言われる、月鉾のメダリオン緞通と、北観音山と函谷鉾の八芒星絨毯は必見です。
いずれもムガル王朝時代の最高傑作ですが、海外では実用品として使われたためほとんど現存しておらず、今のところ、メダリオン緞通は「世界で一枚しかない」、八芒星絨毯は「世界で四枚しかない」と言われています。
山鉾巡行ではレプリカ使用の可能性ありますが、宵山期間中は、お会所で現物が見られますよ。
年に10日しか飲めない井戸
7月15日から7月24日の期間だけ、御手洗井の水が飲めます。
ここは、かつて四条御旅所(神幸祭と還幸祭の間、神様が留まる所)があった場所ですが、織田信長の上洛に伴って移転(1568年)した際に、この井戸が名水であると聞いた信長が、祭の期間だけ井戸を開放するように命じた習わしが現在まで続いています。
京都では、土用の日にこの井戸の水を飲み、あんころ餅を食べると、一年間無病息災で暮らせると言い伝えられています。
井戸がある場所:京都府京都市中京区手洗水町
時を超えて復活した山鉾
大船鉾は、2014年に150年ぶりに、鷹山は、2022年に196年ぶりに復活した山鉾です。
前者は室町時代から、後者は応仁の乱以前からありますが、それぞれ、禁門の変で焼失したり、1826年に懸装品を損傷したため、長い間休み山になっていました。
(現在の休み山は、布袋山のみ)
実は、後祭も、2014年に49年ぶりに復活(1966年に運営上の理由から休止)しましたが、いずれも、もし生まれた時代が違っていたら見ることができなかった貴重な伝統です。
みんな、祇園祭を誤解している?
私のほとんどの友人たちは誤解していたし、私も京都に住むまではそうだったので(関西人なのに……)、同じ誤解をしている方がいらっしゃるかもですが、
祇園祭は、宵山と山鉾巡行だけじゃない
んですよね。ご存じでした?
祇園祭を正確に説明すると、「八坂神社で7月1日から7月31日まで行われる、疫病退散祈願の神事や行事の総称」です。
その行事の中に、7月17日の夕方行われる神幸祭(八坂神社に祀られる三柱を、神社から町中にお迎えする)と、7月24日の夕方行われる還幸祭(町中に滞在いただいた神様を、神社にお戻りいただく)があり、それぞれの直前に、町中にいる疫神を山や鉾に集めて祓い清める行事が、山鉾巡行です。
で、山鉾巡行の前夜祭が宵山です。
つまり、山鉾巡行と宵山は、神幸祭と還幸祭のための行事であり、これら4つともが「祇園祭の行事の一部」なのです。
なお、神幸祭の宵山から山鉾巡行までの期間を前祭(7月14日~17日)、還幸祭のそれらを後祭(7月21日~24日)といいます。
神幸祭と還幸祭では、三つの神輿が、約8キロの道のりを掛け声とともに練り歩きます。
知名度は低いですが、山鉾巡行とはまた違った熱気あふれる行事。祇園祭観光の際はお見逃しなく!
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