茅の輪くぐりとは
一年の上半期である1月から6月の間に、知らず知らずのうちに身についた穢れを祓い、無病息災を願うための、「夏越の祓」という儀式があります。
そこで行われる行事の一つが、茅の輪(ちのわ)くぐりです。言葉を唱えながら、茅の葉で作られた輪を8の字に3回くぐる、お祓い方法です。
巨大な茅の輪
上の写真のものは普通サイズですが、全国の数カ所の神社では、期間限定で直径5メートル級の巨大な茅の輪が設置されます。今回はその中から3社を紹介します。
北野天満宮
学業成就などのご利益でも知られる北野天満宮。菅原道真公の誕生日である毎年6月25日~30日には「大茅の輪」が設けられます。
一の鳥居をくぐり、
参道(けっこう長い)を進んだ先に、
大茅の輪が現れます。ラスボスのような存在感。
本殿では、6月1日から普通サイズの茅の輪も設置されるので、大茅の輪の期間中は、一度の参拝で2回茅の輪くぐりができますよ。
北野天満宮:京都市上京区馬喰町
城南宮
方除・厄除の神社である城南宮は、交通や旅行の安全にもご利益があり、自動車やバイク・自転車、小型船舶などのお祓いが受けられます。
7月1日~7日には、全国的にも珍しい「愛車の茅の輪くぐり」が行われています。
人間用とは異なり、こちらはただ通り抜けるだけです。自転車で訪れる方もいるようですが、小型船舶は難しいでしょう(海から遠いので)。
城南宮:京都府京都市伏見区中島鳥羽離宮町7
静岡浅間神社
静岡浅間神社は、徳川家康公が14歳で元服を行ったなど、家康公にまつわる数々のエピソードでも知られています。
毎年、6月28日~7月7日に、直径約5メートル、重さおよそ250kgの巨大茅の輪が、クレーンを使って設置されます。
こちらは、8の字にくぐりながら、中央につるされている形代(かたしろ)と呼ばれる紅白の紙を触るという、珍しい方式です。
静岡浅間神社:静岡県静岡市葵区宮ヶ崎町102−1
茅を抜いてはいけない
ほとんどの神社では、茅の持ち帰りは禁止されています。茅には、祓った穢れが溜まっています。開店祝いのスタンド花のような縁起物ではありません。
数年前には、北野天満宮の大茅の輪が茅を抜かれてスカスカになり、神社から注意喚起がありました。
ただ、ごく稀に、参拝者が茅を持ち帰りする慣習のある神社もあるようです。その場合は、現地でご確認ください。
クリックしてくださると励みになります